主体性としてのプロアクティブな行動と先見性としてのプロアクティブな行動
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事において「リアクティブではなく、プロアクティブに行動すること」というメッセージを時折見かけることかと思います。
ただ、プロアクティブな行動には2つの意味がありえます。そこで、それぞれの意味するところについて整理します。
主体性としてのプロアクティブな行動
自ら能動的・主体的に行動していける意味でのプロアクティブな行動があります。
この場合、対極としてのリアクティブな行動は指示を受けて行動するような受動的な行動になります。
主体性としてのプロアクティブな行動がどの程度必要になるかは、企業の社風や業務上の役割の影響を受けます。
文化については
- 自発性を推奨する文化 <-> 指揮命令に忠実に従う文化
のような対比があります。ビジネスの変化が早い現状の時勢としては「自発性を推奨する文化」が好ましいでしょう。
役割については
- 自発的に動くことを期待される役割 <-> 与えられた業務を着実に、指示通りに確実に実施することが期待される役割
のような対比があります。
基本的には、役割・職務に限らず主体的なプロアクティブ行動は推奨されることかと思いますが、例えば評価制度上の「並み」のグレードあたりまでは、リアクティブな行動でも不足にはなりにくいでしょう。一方で、リーダーシップを必要とするような一定以上のポジションにあがっていく場合は必然的にプロアクティブな行動が求められるでしょう。
また、一般のメンバーだとしても職種や業務内容的にプロアクティブな行動が重要になるケースもあるでしょう。例えば企画職などです。
主体性としてのプロアクティブな行動への課題
主体的な行動は、的中率が高い場合は歓迎されますが、的中率が低い場合は失敗の影響が起こりえます。
失敗から学ぶ文化も大切ですが、度をすぎるとビジネスとして成り立ちません。
そのため、主体的な行動を積極的に行うには、ある程度の実力が必要となります。
ここでの実力には2種類あり
- 主体的な行動に向けた意思決定の適切さ
- 主体的な行動の遂行能力の高さ
になります。
意思決定そのものが外れていると、いくら遂行能力が高くても成功しません。
遂行能力が低いと、いくら意思決定が適切でも成功しません。
これらのバランスが揃って初めて主体性としてのプロアクティブな行動が、組織の成果につながります。
自身が行っている主体的な行動がどのくらい的確なのか、外しているのか?
これについては身近な上司・同僚に確認し、フィードバックを得ることで現状確認をするとよいでしょう。
先見性としてのプロアクティブな行動
顧客や社内の課題を事前に先回りして発見し、事前に対策を講じるような先見性としてのプロアクティブな行動があります。
この場合、対極としてのリアクティブな行動は結果に対して反応するような行動になります。
この場合のプロアクティブな行動は主体性・自主性を必ずしも必要としません。
現在与えられた情報から影響範囲を多様な視点・視座で推測し、必要な対策を検討する能力があれば事足ります。
- 物事の因果関係を観察し、ふりかえり、パターンを発見する能力の高さ
- 個別の事象から抽象概念を導く能力
- 症状を分析し真因を発見する能力
先見性は、そんな能力により発揮されます。
先見性としてのプロアクティブな行動の課題
先見性のあるプロアクティブな行動は、その領域・対象においてあなただけが発見できた問題である可能性があります。
そのため、あなたが先回りして行動した価値を何も言わなくても理解してもらえるとは限りません。
そこで、先見性を発揮した対象の問題構造を自らわかりやすく関係者に説明する能力が大切になります。
まとめ
主体性としてのプロアクティブな行動と先見性としてのプロアクティブな行動について説明しました。
これらは、別々の行動特性のはずが、「プロアクティブな行動」としてひとくくりで語られがちです。
もし、話題に出た場合は、どちらを意図した内容なのか確認しましょう。